石けん!!

   アルカリと脂肪酸の化合物で、アルカリにはナトリウムと
   カリウムがあるが、一般にはナトリウムを使う。脂肪酸は
   天然に生ずる油脂を形造っている大切な成分で石けん
   にはカプロン酸からベーヘン酸までを用いる。製法は
   水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を直接、油脂に作用させ
   て造ることができる。そのとき、石けんのほかにグリセリン
   が出来る。すなわち
   油脂+水酸化ナトリウム=>けん化=>石けん+グリセリン
   となり、油脂の代りに脂肪酸を使ってもよい。これらの石鹸を
   造る化学的な結合をけん化という。アルカリの成分によって、
   それぞれソーダ石けん(硬石けん:普通使われている化粧
   石けん)またはカリ石けん(軟石けん)といい、カリ石けんは
   水分を多く含み、柔らかく水に溶け易い。石けんはアルコー
   ルには溶けるが、食塩水には溶けにくい。石けん溶液に
   金属塩類を加えると金属石けんを生じ沈殿する。これから
   見て石けんは硬水を用いてはよくないことが判る。石けんが
   なぜ汚れを落とすのかは、まだ知られていないが、皮膚に
   こすり付ける機械的な摩擦と、水の中の石けんの分子が
   汚れの中に染み込み、油を包んで水の中に分散させる作用
   があるからと考えられている。この洗浄の性質は、それぞれ
   の油脂の原料によって違う。石けんの原料は、おもに動物性
   油脂および硬化油である。これに苛性アルカリ溶液を加え、
   煮沸すると油脂はけん化されて石けんとグリセリンとを生じる。
   これに食塩を加え、塩析して(カリ石けんの時は行なわない)
   石けんをグリセリンから分離する。こうして得られた石けんの
   素地(ニートソープ)に着色剤・香料などを加え、乾燥して型に
   はめて化粧石けんを造る。洗濯石けんは水ガラスを混ぜて
   造る。樹脂石けんは樹脂とアルカリとから出来ており製紙サ
   イズに用いられる。
   ●石けんの製造法を分類するとけん化の過程では、
   @完全蒸煮法、A半蒸煮法、B冷けん化法、C中和法、
   D連続けん化法(シャープレス法)などがある。
   ●石けん素地から商品としての化粧石鹸にする仕上げ工程では
   @枠練り法、A機械練り法の2法がある。
   ●化粧石鹸に要求される必要な条件は・・・
   a.水にも湯にもよく溶けること。(溶解性)
   b.泡立ちのよいこと。(起泡性)
   c.落ちがよいこと。(洗浄性)
   d.皮膚を刺激しないこと。
   e.むだ減りのないこと。
   f.使い初めも終わりも質の変化のないこと。
   g.芳香を持っていること。
   h.適度の堅さを持つこと。
   i.亀裂(きれつ:ひび)を生じないこと。
   j.発汗しないこと。
   k.はん点を生じないこと。
   l.色があせないこと。
   ●特殊な化粧石けんには
   @透明石鹸、Aヒゲソリ石鹸、B水石鹸、C浮き石鹸
   などがある。

  ●=>陽性石けん(逆性石けん)

石けんの良否鑑別法

   @遊離のアルカリが存在しないこと。
    これがあると洗顔のとき皮膚を荒らし、洗濯の場合は
    布地を傷め、色があせる。見分け方は石けんの片隅を
    ナイフで切り、その切り口をなめると舌を刺激する時、
    またはフェノールフタレイン試薬を数滴石鹸に垂らし
    赤色に変色した場合など、遊離のアルカリが含まれて
    いる不良石けんと判る。
   A遊離の脂肪が存在しないこと。
    これがあると泡立ちが悪く、また洗った物にその脂肪が
    付いてしまう。見分けは石鹸水を白いひもに染み込ませ
    ると半透明の斑点ができたり、また石鹸をアルコールに
    溶かしてみて透明に溶けず、小さな油滴ができ濁ったり
    する場合は、この脂肪が含まれている不良石鹸と判る。
   B石けんに含まれている水分が多すぎないこと。
    良質の石けんは2割内外の水分を含むが、あまり水分が
    多いと石けんは形が崩れるので不良石鹸と判る。
   C製造過程(塩析の際)の食塩が残っていないこと。
    これがあると、溶けにくくこの石鹸を使ったあと、表面に
    水滴が出来て塩分がまだ残っていることを示すので不良
    石鹸と判る。