08月20日

楽しい夜

友人夫婦の来訪は、誰からともなく語り始めた話題で盛り上がる。
心が開放される思いがして、今夜も楽しい時間が始まった。

友人が言った。
 「ロボットが人間の労働のすべてを代わってやる時代が来る!
 介護や農作業も全てロボットがやってくれる!
 障害を持ってる人の失われた機能もロボットが補充してくれる!
 寝たきりの人でも登山や水泳を体感できる!」

 私: へ〜!それは助かるかも〜。

友人の話はさらに続く…。
 「寝たきりの人も登山がしたいと思えば体感できる…
 リアルな景色と風まで体感できる」

 私: ちょっと待って!それって視覚的にってこと?
    ロボット機能の助けで登山ができるという意味じゃ〜ないの?

友人:寝たきりの人は、
    そこにいて、すべてのことが体感できるっていう事。
    泳ぎたいと思えば泳いでいる感覚を楽しめる…
    潜ったこともない人でも、体感できる。

 私: そんな〜。
    それはあくまでも人がプログラムしたことで、
    自然そのものではない!でしょ?

友人:実体験により近くなるから、
    非現実と気付かないくらいになるよ。
    そのくらい進歩する!

 私: 小さい頃吹いていた風のにおいや、
    木漏れ日の記憶やそれに重なる自分の心の記憶を
    大切に感じている私には、
    プログラムされた風のかおりなど受け入れにくい。
    本当の自然を感じたい!と…。

友人の妻:大丈夫よ、○○子。
    私達が生きてるうちにはそうはならないから!
    う〜んと未来の話よ。

 私: 『あっ!ここの夫婦はいつもこんな話をしてるのかな?』
    ふっとそんな思いがした。

 私: それにしても、労働をしないで食べる心配もない
    ロボットに支えられた社会に生きる事が幸せなことなのだろうか?

 友人の話は教育分野にも触れて
 「読み書きが他の子より遅いということで、
 気にするようなことはナンセンス!
 語学をはじめ学ばなくても同時通訳の機能もどんどん開発されるし、
 小さい時から勉強勉強と詰め込まれている子ども達の
 学校の現場が大きく変わる。
 その子の個性、力を発揮できる個々の分野を研究できるような時代が来る。」

 私: そうなれば、人との比較で傷ついたりして、
    可能性を摘み取られるような現象は少なくなるよね。

友人の妻:小さい時から、
    必要なことは詰め込まなければダメなのよ。
    九九や読み書きはどうするのー!?

友人: いらない、いらない。
    必要なことはすぐわかるんだから!

 私: 学んで知る喜びもあるでしょ?

友人の妻:そこまで私達は生きてないんだから、
    話しても意味ないよ(笑う)

 夫: 哲学として話してるんでしょ!?

 私: 話としても、こういう話からはいろんな事が見えてきて
    面白いよ。ね〜。

 友人夫婦は、何事に付いてもとことん話す習慣があり、
 お互い納得するまで引き下がらない。
 そんな彼らの来訪は、
 いつも斬新な切り口で興味ある話題を提供してくれる。
 友人夫婦と話していると、非現実的と思えることが、
 最近では現実味を帯びてきて、
 今ある日常の見失いたくないものを、つよく意識するようにもなる。

 30年余りの彼らとの付き合いの中で、多くの楽しい語らいがあり、
 私は、友人が投げかけた事柄に、時折思いをめぐらし、2〜3日は楽しむ。

 彼らとの語らいは、時空を越えて広がり、心が自由に主張しあう。
 あっという間に楽しい時は過ぎ、
 「またね!」
 手を振りあっさり帰ってゆく彼ら。
 またの来訪が、楽しみになる。

                   …今夜も楽しかった。

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